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中川青果店|富山県滑川市
創業百余年。商店が連なる通りに店を構える青果店。
こちらに嫁ぎ、四代目として店を切り盛りする中川芽衣子さんが作る人気のドレッシングをご紹介します。
地域に愛されるこの店を
いつまでも紡ぐために。
滑川市に店を構える中川青果店。
三代に渡り受け継がれ、旬の青果や日用品、惣菜などを揃え、地域に暮らす人々の食卓を彩ってきました。
「今使っている冷蔵庫が壊れたら、お店を閉めようかしら…。」
そんな一言をきっかけに行動を起こしたのは、三代目・三男のお嫁さん、中川芽衣子さんです。
「お盆やお正月だけですけど、お店をお手伝いしてきて、その中でいろんなコミュニケーションが生まれていて…。こんな素敵なお店がなくなってしまうのは勿体ないなぁ、嫌だなぁと思ったんです。何とかならないかなって、ずっと思いながらモヤモヤしていました。一方、私自身は管理栄養士として勤めてきて、みんなに”もっと野菜を食べてほしいなぁ”という想いがあったんです。」
―野菜を食べる人が減っている。
―料理が好きな人も減っている。
”健康なおかず”を食べてほしい、と思っていても、そうできない現代人がたくさんいることも分かっていました。
そこに義母からの”青果店を閉める”話が重なり、《手作りのもの》を食べてほしいという想いが募り、お店を継ぐことを決意。まもなくして惣菜の販売をスタートしました。
芽衣子さんの決断に驚きと困惑を隠しきれなかった三代目の義母も芽衣子さんの想いに応え、惣菜やドレッシングの製造ができるキッチンなどを整えたと言います。
こうして始まった四代目の行動は、このお店の看板メニューでもある人気商品を生み出します。
野菜をそのまま召し上がれ。
野菜がおいしいドレッシング
知る人ぞ知る中川青果店のドレッシング《野菜がおいしいドレッシング》は元々、元々芽衣子さんが家族のために手作りしていたものでした。
「家族が”おいしい おいしい”と言って、いつも食べてくれていて。ある日、夫が”これを店に出したら、人気がでるんじゃないか”って言ってくれて。」
ドレッシングの販売を考え始めるものの、このお店を続けていくためには何が足りないんだろう…と迷いもあったそうです。
そんなとき背中を押してくれたのは尊敬する野菜ソムリエの方からの「3つのK」の話でした。
これは新しく行動を起こすときに大切にしたい3つのKで「好奇心・共感・覚悟」のこと。この話が響いて背中を押してくれたそうです。
「好奇心もある、共感してくれる家族もいる、あとは私には3つ目のK=覚悟が足りない」。そう実感したとき、それまでの迷う気持ちが晴れ、夫や義両親の応援を信じドレッシングの販売を決めたそうです。こうして生まれた「野菜がおいしいドレッシング」は今ではロスを出すこともなく毎回あっという間に売り切れてしまうほどのヒット商品となりました。
将来の夢を訪ねると
「大きな野望とかっていうのはないのですが、小さなお店だからこそ出来ることがあると思っています。コツコツと毎日生活に寄り添っていくことが大切だと思うんです。ドレッシングも手作りなのでたくさん作れるわけではなくって。だからこそ、気に入ってくれる人に”おいしかった”って言ってもらえることが嬉しいので、そんな風に思ってもらえるものを作り続けられたらいいなって思います。」
住所 | 富山県滑川市常盤町1117 |
TEL | 076-475-0962 |
営業時間 | 10:00~18:00(惣菜販売は平日のみ) |
定休日 | 日曜日 |