個性を認める生き方―。
人は誰しも人のためになりたい。【後編】
後編では、なぜ富山への移住を決意したのか。
そして、富山県でどんなことを成し遂げたいのかを伺いました。
富山へ移住。
富山県民の温かい人柄に惹かれたから。
2019年4月、東京から富山へ移住。
元々「移住したい」という想いが強かった高橋さん。2017年にゆうじろうさんと再婚したことで、富山への移住を決意したそう。
「今までは、子どもを両親に預けて、シングルマザーで全国飛び回ったりしていたんです。だから、子どもを優先すると頼れる実家がある東京が便利。けれども、夫は“夫婦で助け合えばどこにでも住める”と言ってくれたんです」。
移住候補地として、沖縄・京都・富山・仙台などがあったそうですが、移住前から富山へは何度も仕事で来ていたそうです。そして、「高橋家族が富山に来るなら、こういう仕事があるよ」など、お世話して気にかけてくる人が多かったのが富山県でした。そんな富山県民の人の好さにどんどん魅了されたといいます。
当時すでに約3,000人の講師を輩出していたという高橋さん。全国どこにいても、それぞれの講師が活動しやすいようプログラムの研究をし続けてきました。
常に考えることの大切さ。
将来、だれかのために出来ること。
高橋さんは、常に先を見据えている。
7世代先の未来を考えて行動するインディアンのように、私たちも未来を考えて行動を起こすべきじゃないか。持続可能な方法は?本当にそれは必要なの?ということを常に考えているそうです。
そんな高橋さんが今最も家族でやり遂げたいことが「畑」です。
畑については夫婦そろって興味津々。書籍を読んだり、セミナーへ足を運んだり、勉強に勤しんでいるそうです。食事の大切さを理解しているからこそ、無農薬で自分たちが『本当に安心だ』と思えるものを自分でやりたいんだそう。
実体験がないと人は変われない。
だからこそ、自分で行動を起こしているのです。
また、2022年には立山町に移り住み、「ホーセラピー」という、乗馬によるセラピーをやりたいと熱く語っていました。海外では高く評価されているが、北陸にはまだない。そんな素晴らしい教育を地域の子どもたちに提供したいそうです。
他にも、インチャイルドプロジェクト(インクルーシブ教育を必要としている子ども達に必要な教育)を進行していく中で、プログラムの提供だけでなく、環境を作りたいという想いが強いんだとか。放課後デイサービスとして、子どもたちが学べる場所を作るのが彼女の夢です。
「知ることは感じることの半分も大切じゃない、という言葉に感化されました。
感じることの大切さを体感できる場所を作りたい。そういう教育の場もあって良いはずだと私は思います」。
“私らしさ”とは、
短所を長所だと思っていること。
最後に、「高橋さんらしさとは何ですか?」と尋ねたところ、
「私には短所がたくさんあります。できないこと・苦手なことがたくさんある。
でもそれを知っているからこそ、周りにいる補ってくれる人と協力し合える。
母が“できないことがあるのは、別のことを発想する想像力が豊かだから”と前向きな声をかけてくれました。
それが自分の苦手な部分を受け止めて、周りと協力できる原動力になっています。
得意・不得意の人が持つ個性を認めるには、まずは自分自身のことから!ですね。」
と語ってくれました。
人は誰しもが人のためになりたいと思っている。
障がいの有無に関係なく、
<人のためになれている>と感じられる環境をどれだけ作れるか
ということが大切なんだと、高橋さんの信念が感じられるインタビューでした。